「金婚漬」は縁起のいい名前の漬物です。あめ色をしたウリの中に、ニンジンやコンブ巻きがぎゅっと詰まっており、輪切りにすると渋めの色合いの中にニンジンが鮮やかな顔をのぞかせています。
漬物床の中で熟成させ、時が経てば経つほどにいい味が出てくることから夫婦になぞらえて「金婚」漬。あるいはその形が、岩手県の陸中海岸のナマコ(キンコと呼ばれる)に似ていることでこの名がついたと言われています。「よく漬かればおいしい」というだけに、数年樽に漬けることも珍しくなく、しょっぱくするのがいかにも東北の漬物らしい。
食べるときには、輪切りのほか、刻んでお茶漬けやおにぎりの具としても重宝します。もとは農家の保存食だったもので、いつごろを起源とするか明らかな資料はありませんが、江戸時代の終わり頃から作られているものといわれています。
金婚漬
¥432価格